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奈良県宗教人の会

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いま憲法9条を宗教者はーアジアの熱い期待に驚くー小野文珖さん 日蓮宗・僧侶

 私は日蓮宗の有志でつくる「立正平和の会」で長く平和の問題に関心を払ってきました。「会」は、「非暴力・不殺生の仏陀の教えと、立正安国・仏国土顕現の日蓮聖人の頗行に基づき…平和な国際社会形成を目標」としています。憲法九条を守っていくことが、宗祖の精神を継承することだという信念に揺るぎはありません。

 しかし、私たち団塊の世代が定年を迎えるようになり、改めて日本と世界に対して何をしてきたのか、と自問自答すると、平和の問題でこんなにも日本を危機に陥れてしまったことを真剣に反省せざるをえません。日本の安らぎ、平和、豊かさ、われわれは先人たちから与えられてきたものを、次の代に十分継承することができなかったのではないか-。

命をかけて守る

 その象徴的な問題が、この九条改定問題です。われわれの学生時代や、社会に出たころは、九条は「前提条件」で、「変える」という万が異端でした。ところがいま、九条を変えることに〝違和感がない″という状況を許してしまった。それに気づいて愕然(がくぜん)としました。九条だけは、命をかけて守っていこうと思います。

 九条のありがたさ、大切さがなぜ世代ごとに伝えら・れてこなかったか。教育の問題があります。おとなは正しい歴史を子どもたちに十分教えず、都合の悪いことは隠してきました。

 地元の中高生がアルミ缶のリサイクルでためたお金をアジアへ送り、学校を建てる取り組みをしています。その援助をしながら、カンボジアのポル・ポト独裁政権や最近のミャンマーの軍事政権の蛮行、さらに近代日本の軍事政権の侵略について話をしています。子どもたちは素直で、歴史とともにアジアの差別と貧困の現状虐知ると、涙を流し、積極的にボランティア参加しています。これも草の根の九条の和につながると思います。

「これしかない」

 十一月末から士再はじめ、東京で「9条アジア宗教者会議」が開かれまし
た。日本の宗教者がアジアの宗教者に呼びかけ、日本国憲法九条の理想を広げようという初めての試みでした。そこに参加して、九条に寄せるアジ
アの熱い期待に改めて驚かされました。

 「九条は日本だけのものではない。アジア各国の憲法に取り入れて世界に九条を広げてゆこう」「九条を〝守る″というだけでなく、それを生かすことこそ大切」
 インド、マレーシア、韓国、フィリピンなどの代表のこんなメッセージに触れ、紛争解決はもちろん、環境問題でも貧困問題でも「九条、これしかない」という気持ちを強くしました。

一方、改憲のための国民投票法はもうできていて、予断を許さない段階です。理念だけではなく、具体的な行動が求められています。宗教者も、教団の外に向かって発言し、政党、政治家も含め志を同じくする人びとと手を握り合う。そして「九条の会」をはじめ九条を守ろうと国民の闇にできた小さな和を大きくし、連帯を広げる努力をする。それが私たちに課せられた使命だと思うのです。

小野文珖さん 日蓮宗・僧侶■ぉの・ぶんこう1948年群馬県
生まれ。立正大学助教授をへて天龍寺(群馬県藤岡市)住職。


「しんぶん赤旗」12/26付
    
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by n-syukyojin | 2008-01-17 13:12 | 宗教人と憲法
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