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奈良県宗教人の会

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カテゴリ:宗教人と憲法( 7 )

いま憲法9条を宗教者はーアジアの熱い期待に驚くー小野文珖さん 日蓮宗・僧侶

 私は日蓮宗の有志でつくる「立正平和の会」で長く平和の問題に関心を払ってきました。「会」は、「非暴力・不殺生の仏陀の教えと、立正安国・仏国土顕現の日蓮聖人の頗行に基づき…平和な国際社会形成を目標」としています。憲法九条を守っていくことが、宗祖の精神を継承することだという信念に揺るぎはありません。

 しかし、私たち団塊の世代が定年を迎えるようになり、改めて日本と世界に対して何をしてきたのか、と自問自答すると、平和の問題でこんなにも日本を危機に陥れてしまったことを真剣に反省せざるをえません。日本の安らぎ、平和、豊かさ、われわれは先人たちから与えられてきたものを、次の代に十分継承することができなかったのではないか-。

命をかけて守る

 その象徴的な問題が、この九条改定問題です。われわれの学生時代や、社会に出たころは、九条は「前提条件」で、「変える」という万が異端でした。ところがいま、九条を変えることに〝違和感がない″という状況を許してしまった。それに気づいて愕然(がくぜん)としました。九条だけは、命をかけて守っていこうと思います。

 九条のありがたさ、大切さがなぜ世代ごとに伝えら・れてこなかったか。教育の問題があります。おとなは正しい歴史を子どもたちに十分教えず、都合の悪いことは隠してきました。

 地元の中高生がアルミ缶のリサイクルでためたお金をアジアへ送り、学校を建てる取り組みをしています。その援助をしながら、カンボジアのポル・ポト独裁政権や最近のミャンマーの軍事政権の蛮行、さらに近代日本の軍事政権の侵略について話をしています。子どもたちは素直で、歴史とともにアジアの差別と貧困の現状虐知ると、涙を流し、積極的にボランティア参加しています。これも草の根の九条の和につながると思います。

「これしかない」

 十一月末から士再はじめ、東京で「9条アジア宗教者会議」が開かれまし
た。日本の宗教者がアジアの宗教者に呼びかけ、日本国憲法九条の理想を広げようという初めての試みでした。そこに参加して、九条に寄せるアジ
アの熱い期待に改めて驚かされました。

 「九条は日本だけのものではない。アジア各国の憲法に取り入れて世界に九条を広げてゆこう」「九条を〝守る″というだけでなく、それを生かすことこそ大切」
 インド、マレーシア、韓国、フィリピンなどの代表のこんなメッセージに触れ、紛争解決はもちろん、環境問題でも貧困問題でも「九条、これしかない」という気持ちを強くしました。

一方、改憲のための国民投票法はもうできていて、予断を許さない段階です。理念だけではなく、具体的な行動が求められています。宗教者も、教団の外に向かって発言し、政党、政治家も含め志を同じくする人びとと手を握り合う。そして「九条の会」をはじめ九条を守ろうと国民の闇にできた小さな和を大きくし、連帯を広げる努力をする。それが私たちに課せられた使命だと思うのです。

小野文珖さん 日蓮宗・僧侶■ぉの・ぶんこう1948年群馬県
生まれ。立正大学助教授をへて天龍寺(群馬県藤岡市)住職。


「しんぶん赤旗」12/26付
    
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by n-syukyojin | 2008-01-17 13:12 | 宗教人と憲法

いま憲法9条をー宗教者は語る 日本キリスト教団 朝岡 膠さん

 私たちの教会では、もともと「この世」の社会問題についての取り組みより、一人ひとりの内面と魂の救済を重視してきました。そういう保守的な教会が政治・社会問題にも取り組まねばならないと気づきました。そのきっかけは、一九六〇年代以降、靖国神社の国家護持問題が起こってきたことです。

 戦前、キリスト教会は天皇崇拝と戦争協力を強制され迫害を受ける一方、抵抗し切れなかった人々が侵略戦争と天皇崇拝に加担するという大きな過ちを犯しました。自分の信ずる真(まこと)の神以外のものを「神」として拝むことは、キリスト教信仰の最も大事な柱に反する行為でした。靖国問題が浮上する中で、歴史の教訓を呼び起こすことが求められました。

相次ぐ強行採決

 いま、森・元首相の「日本は天皇を中心とする神の国である」という発言に続き、小泉前首相の靖国神社への連続参拝とイラク戦争支持の強行、さらに安倍晋三首相の憲法を露骨に敵視する「戦後レジーム(体制)からの脱却」論と連続しています。教育基本法改悪、改憲の国民投票法で強行採決が相次ぎました。

 戦前・戦後と保守的なメンタリティー(精神)はずっと連続してきたと思いますが、過度に先鋭的な主張に対しては、政治の責任をあずかる人たちには、ある種の〝わきまえ〃がありました。ところが今の政治は、そうした〝わきまえ〃を失い非常に暴力的です。少数者の声の中にある真実を聞き取る共感や想像力を欠いています。

 とりわけ安倍政権のもとで、戦前回帰の動きが加速し、次第に戦前のようなこわばった空気が広がっていく中で、沈黙を続けていていいのだろうかという強い思いがあります。一度同じ痛みと過ちを体験した日本のキリスト者が、キリスト者であり続けるため、「信仰の証明」にかかわる問題「として、政治、社会のあり方について発言せざるを得ないと思うのです。

靖国神社の問題・政教分離の問題と、九条改憲の問題は、まさに一体。日本を再び「戦争する国」にさせていく流れにあります。人々が喜んで国のために命を捨てるような精神的仕阻みが靖国神社の問題です。

 イエス・キリストは、「平和をつくる者は幸いです。その人は剣の力を愛で吸収する神の子どもと言われる」(マタイ福音書)と言っています。聖書世界の璧口であったユダヤ、パレスチナの最下層の庶民に、ローマの支配に対し力による対抗や復讐(ふくしゅう)ではなく、「平和をつくる」と呼びかけたイエスの言葉は、今の私たちにとっても挑戦すべき課題です。

 また、イエスは剣をとるものは剣によって滅びと言っている」と言い、「右の頬(ほお)を打たれたち左を差し出し、下着を取ろうとする者には上着もやりなさい」と言いました。これはよく「博愛」思想と言われますが、剣の力を愛の力で吸収し、憎しみを無力化してしまうということです。

イエスと同理念
     
 戦力不保持を定めた憲法九条が目指すのも、これと同じ本当に大きな理念です。それをととらえきれずに、押し付けかどうかとか、日米同盟がどうだとか、小さな議論に押し込んでしまうのは本当に情けないです。
9条は日本のためだけにあるのではなく、世界の平和のために与えられたものです。大切にしていきたいと思います。

 朝岡 膠さん
 あさおか・まさる1968年、茨城
県生まれ。神戸改革派神学校卒業。
90年から日本同盟基督教団牧師。現在、同教団「教会と国家」委員長、
徳丸町(東京都板橋区)キリスト教会牧師 「いたばし9条の会」世話人
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by n-syukyojin | 2007-09-22 04:44 | 宗教人と憲法

いま憲法9条をー宗教者は語る  真宗大谷派僧侶 蒲 信一さん

〝殺すな〃の普遍的価値 


 安倍政権というのは、安倍育三首相白身が岸儀介元首相の政治を模範とする、と繰り返し発言しているように、岸政権の流れにあります。

 岸政権というのは、自民党政治の中でも、戦争犯罪人による軍国主義政治という意味で最もあしき存在の一つです。一九六〇年の安保改定のときには、国会に押し寄せる国民のデモに対し、自衛隊の治安出動を要請しました。日米軍事同盟に反対する国民世論に、文字通り銃口を向けようとしたのです。

 私は五三年生まれで、安倍首相は私より一つ年下です。この世代は、学生になったころには「学園闘争」も終わっていたことなど、〝すべて遅れてきた青年たち″でした。労働運動がすべていいとも患わないが、市場原理がすべていいとも思わない、冷めた目でもの
を見られる世代ではないかと思っています。


戦前回帰を拒否


 ところが、安倍氏の思想傾向は極端な反共に傾いている。「戦後レジーム(体制)からの脱却」を掲げ、教育基本法改悪や憲法改悪を目指すという主張は、戦前の日本を美化し、号」への回帰を求めるものです。これは、言ってみれば民主主義の否定です。こんな政
治が長く続くはずがないし、続けさせてはならない。そしてこのような政権に、憲法九条を変えることを許してはならないと強く思います。

 安倍自民党は、二〇〇五年の郵政選挙で得た三百議席でオールマイティーな力を授かったかのように錯覚し、教育基本法改悪や改憲のための国民投票法など、いくつもの重要法案を強行してきました。国民の意思を無視した非民主的な政権運営に対し、参院選挙で国
民は鉄ついを下したのです。

 憲法はアメリカが押し付けたなどといわれますが、大切なことは、九条が〝人を殺すな、殺されるな〃という普遍の価値を表していることです。だからこそ、憲法前文にある〝国際社会で名誉ある地位を占める″ことも可能なのです。

歴史の教訓くむ

 戦前の日本では、社会のシステムすべてが軍国主義の方向に編成される中で、宗教勢力もその一翼を担うという過ちを犯しました。
 真宗大谷派も「皇道真宗」と名のるなど、軍事体制に迎合しました。親鴬聖人の言葉の中にある、厳しい天皇制批判が軍部ににらまれることを恐れ、自らそれを削除しました。宗祖の首に手をかけたのと同じことです。そして、〝天皇の詔(みことのり)を頂き敵地において玉砕することは弥陀(みだ)の本願にかなう″などといいながら、多くの門徒さんを戦地に赴かしめた-。その罪は万死に値するもので、深い慚愧(ざんき)を禁じえません。

今、平和な時代にそんなことを言っていても、いざ厳しい時代になったらどうなるか、それは誰もわからないかもしれません。しかし、だからといって、批判も自己批判もやめてしまってはだめなんです。平時だからこそ、きちんと総括を深め、二度とうしたことがおこらないようにする。首相の靖国参拝など歴史を逆戻りさせ衝動きの中で改憲が押し出されているいま、歴史の教訓を深くくみ取ることが必要です。




蒲信一さん(かば・しんいち)
 1953年、神奈川県逗子市生まれ。大谷大学卒業。真宗大谷派浄柴寺(横須賀市)住職。小泉首相・石原東京都知事靖国参拝違憲訴訟の会・東京原告団長
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by n-syukyojin | 2007-09-22 04:42 | 宗教人と憲法

「いま憲法9条をー宗教者は語る」出版される


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目次

㊥日本の誇り、皆で手携え-臨済宗相国寺派管長、京都仏教会理事長 有馬頼底さん 


㊥祈願だけでなく行動する-浄土宗西山禅林寺派管長 五十嵐隆明さん 


㊥人を敬う基本があるからー清水寺買主 森 清範さん 

㊥世界の宝、命の基礎保証-真言律宗総本山西大寺宗務長 佐伯快勝さん 


㊥真実に賞味期限はないー本山修験宗宗務総長 宮城泰年さん 


㊥〃平和のための冒険〃こそー-枢機卿・カトリック大司教 白柳誠lさん 


             ふくいん
㊥日本にもたらされた福音-京都キリスト教協議会会長 佐伯幸雄さん

          かんてん じう
㊥平和にとって「干天の慈雨」ー日本キリスト教婦人矯風会前副会長 高橋喜久江さん

㊥共に生き、世界史の扉開く 一 日本基督教団総会議 長山北宣久さん 

㊥改憲論の挑戦 受けて立つ - 浄土宗総本山知恩院布教師会会長 岩波昭賢さん 

㊥深い伝統に根ざしている - 真宗大谷派教学研究所元所長 児玉暁洋さん 

㊥思想こえ対話のとき ー カトリック長崎大司教 高見三明さん 

㊥私たちの生き方懸けて - 日本キリスト教協議会議長 鈴木怜子さん 

㊥信仰の違い超えて ー カトリック東京大司教 岡田 武夫さん 

㊥次世代への展望をもって-大正大学元学長 村中祐生さん

㊥庶民の命の叫び消すなー新潟親鸞学会会長 里村専精さん

㊥文化遺産 宮島を守るー真言宗御室派大聖院座主 吉田正裕さん 

   せっしょう
㊥「不殺生」の思想が根本ー日本仏教教育学会名誉会長 斉藤昭俊さん 

㊥軽率な政治に歯止め ー カトリック大阪大司教 池長 潤さん 
         ひとしずく
㊥〝ハチドリの一滴〝のように-真言宗須磨寺大本山須磨寺塔頭正覚院住職 三浦真厳さん

㊥沖縄の痛みと共に生きる一日本聖公会垂平和委員会委員長 谷昌二さん

㊥「信頼」基礎に平和めざす′ー富山大学名誉教授、哲学、宗教研究 中本昌年さん


 A5版77ページ  日本共産党」中央委員会出版局 定価350円
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by n-syukyojin | 2007-06-02 14:57 | 宗教人と憲法

仰天! 安倍内閣では閣僚6人が「天理教」の信者!

 憲法改正を掲げる安倍内閣に、思いもよらない事態が勃発している。

宗教団体『天理教』(本部=奈良県天理市)内に組織された『天理教平和の会』(長谷川俊夫会長)から、憲法九条擁護を求める書簡が安倍内閣の閣僚たちに送付されたのだ。

 書簡の送付先は柳沢伯夫厚生労働相、甘利明経済産業相、久間章生防衛相、高市早苗内閣府特命相、伊吹文明文部科学相、長勢甚遠法務相の6閣僚。

 宗教団体が平和活動に関わること自体は珍しいことではない。だが、同教団の広報誌によれば驚くことにこのセンセイ方は、いずれも天理教の熱心な信者。柳沢、甘利、久間、高市センセイは信者資格を表す「ようぼく」、伊吹、長勢の両氏は、本部で教理受講中の信者を意味する「別席運び中」なる肩書きを持っているというのである。

 信教の自由は憲法の保障するところであり、閣僚たちがどの宗教を信じるかは全くの自由である。

 だが、現内閣に6人もの信者がいるのは驚きだ。これが事実なら、天理教は公明党の支持母体である創価学会に勝るとも劣らない影響力を内閣に保持している、とも言えるのではないか。
「週刊実話」
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by n-syukyojin | 2007-05-16 10:25 | 宗教人と憲法

人の存在も9条も尊いー 「九条の会」が京都でセミナー

 「九条の会」の憲法セミナーが十七日、京都市北区の立命館大学で開かれ、同会呼びかけ人で哲学者の鶴見俊輔さんと、「宗教者九条の和」呼びかけ人で京都仏教会理事長・臨済宗相国寺派管長の有馬頼底さんが、「いま語る九条の心」と題して平和の尊さと憲法九条の値打ちを語りました。

 鶴見さんは、米国留学中の一九四一年の日米開戦当時から日本の敗戦を予想していたと述べ、負ける戦争に国民を駆り立てた軍部を批判。大戦中には友好国の国民を殺したことを取り上げ、「矛盾だらけの戦争だった。国会にある世界史が間違っている」と指摘し、歴史を否定し米国の圧力で憲法「改正」をねらう政府を批判するとともに、「人間は誰しも人を殺すべきではない」との思いから「九条の会」に加わっていると強調しました。

 有馬さんは、金閣寺を訪れたブッシュ米大統領夫妻を案内したさい、「世界が平和でなければいけませんね」と話しかけ、大統領が「イエス」と答えたエピソードに触れたうえで、「草も木も石ころもこの世に存在するものはすべて仏で命が輝いている。その命を奪って良いはずがない」との「不殺生(ふせっしょう)戒」を語り、「人間が存在することそのこと自体が尊い」と強調。「世界で唯一、戦争をやりませんと言った日本が戦争の道を開き、自衛隊がドンパチをやろうとしている」と指摘し、「世界の国が九条を採用しないと戦争が終わらない」と述べ、頑張ろうと呼びかけました。
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by n-syukyojin | 2007-04-26 13:14 | 宗教人と憲法

改憲手続き法案 廃案に

 与党が十三日にも衆院通過を狙っている改憲手続き法案の廃案を求め、幅広い宗教者でつくる「宗教者九条の和」は三日、国会請願署名提出の集いを衆議院第二議員会館内で開きました。七千二百人分の署名を提出しました。

 署名の提出は今回で三回目で、署名数は合計二万四千八百三十九人分になりました。

 集会では、村中祐生大正大学名誉教授・天台宗慈照院住職があいさつし、「自由、民主主義、平和という憲法九条の願いを守り、今の平和な日本をつくってきたのは国民です。憲法九条をいとも簡単に変えることは許されません。この請願がひとつのきっかけになり、今後も運動が広がっていくことを願っています」と述べました。

 山本俊正日本キリスト教協議会総幹事は、「来週は復活祭です。復活祭というのは死をも超えた希望という意味です。法案の廃案へ最後まであきらめません」と訴えました。

 集いには、日本共産党の笠井亮衆院議員が駆けつけ、「憲法九条を変えるための手続き法案が重要な局面にきています。みなさんの九条守れの声が国会にも届き、改憲派のスケジュールを狂わせてきています。力を合わせ、この法案を廃案にし、九条を守るために頑張っていきましょう」とあいさつをしました。

 宮城泰年本山修験宗宗務総長が笠井議員に署名を手渡しました。

 集いは、改憲手続き法案の廃案を求める緊急アピールを採択しました。同アピールは五日、全国会議員に届けられます。
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by n-syukyojin | 2007-04-26 13:09 | 宗教人と憲法